投稿の二十六
はじめまして この雑談室、とても参考にさせてもらっております。
そこで恩返しと言っては何ですが僕も、ひとつのエピソードを投稿させてもらいます。
数年前に僕がバイク免許を合宿免許センターへとりに入ったときの話です そこに同室になった男性(といっても高校生でしたが)と仲良くなりました。
ある日私が風呂に入ろうとした時、たまたま私の裸を見た高校生クンが ”Sさん、すげぇいい体してますね”と話しかけてきたのです。 ”ああ、俺、空手や中国拳法やったりしてるからね” ”俺も空手やってるんっすよぉ・・・”
そんな会話以来、講習後、宿舎でなにかと空手談義に花を咲かせていたのですが ある日、彼の属する団体にいる老境の達人の話をしてくれたのです・・・・・
彼の話をかいつまんで書きますと・・・
その高校生クン、八巻健志氏の本に触発されて、そのまま八巻氏の属する超大手フルコン系団体へと 入会してしまったそうです。
しかも本部道場を調べると、自転車で通えるほどの近所。 早速本部門下生となり練習の日々となりました。 しかもその当時の本部道場師範の一人には、世界大会出場のため来日していたブラジルのF選手もいました。 (だから高校生クンは”F師範は・・・”と話していました。)
やがてそんな彼の帯に色がつき始めた頃、 道場の練習中に、見慣れぬ50代後半の小柄な男性が、空手着を着て一緒に練習を始めました。 ”あのおじさんなら壮年部じゃないのかな?”と思いましたが、関係者の先輩方も何も言わないため さして気にせず練習を続けていました。
その日の練習も佳境に入り、組手稽古となりました。 ただその日は少し勝手が違い、古参の先輩、師範クラスの人達が積極的に 組手に参加せず、色帯の練習生に組手の動きの指導したり、コンビネーションを教えたり・・・・ 皆、妙な空気の中、戸惑いながらも3分ずつの組手練習は次々と相手を変えて進んでゆきます。
やがて高校生クンと、この老先輩との組手となりました。 はじめ!の号令がかかって高校生クンはビックリしたそうです。
なぜなら、この老先輩、皆と同じ、組手立ちではなく、独特の構えでした 腰を落とし、少し前かがみになり、左掌低を伸ばし、右拳を腰に据えているのです。 いかにも”これから右正拳を突くぞ!!”と言わんばかりの構え。
かまわず高校生クン離れた間合いから突き蹴りを繰り出しますが、 すべてステップワークだけでかわされ(動いてるときも上半身は微動だにせず右正拳が狙っている) 接近して攻撃すると・・・・前に出した左手が奇妙な動きで、すべての攻撃を防御してしまうのです。 そして気がつくと、左肋骨に激痛が走り、ダウン。 そうです、右正拳が放たれたのです・・・痛みをこらえ立とうとすると老先輩は、満面の優しい笑顔で
”ヨシ!お兄さん、もう一本いこう”と話しかけてくれます。
そう言われると高校生クンも何だか、うれしくなって笑顔で立ちあがり組手再開!
そのとき”ハッ”と気づいたのです。 先輩、師範達の視線が、自分と老先輩の動きに釘づけであることを・・・・
そんな視線にさらされながら、組手をしてると、この老先輩の左手は 弧拳受け、手刀受け、内受け、外受け、掛け受け・・・等々をすべて左手一本の円運動で受け流しているのです。 (右手は一切動かず) そして高校生クンの左側の攻撃が受けにより流れたら、腰に据えられた右正拳が矢のように飛んできて・・・・
先ほどと、まったく同じ左肋骨箇所に激痛が走り、たまらずダウン・・・ またもや痛みをこらえていると、”止め!”の号令。
老先輩が高校生クンを抱え起こしてくれて”ヨシヨシ、ありがとう、ありがとう”と言って壁際へ運んでくれました。
老先輩は又相手を変えて、組手再開。 動きを見ても、離れてはステップだけで、上半身は動かず 接近すれば左は「防御用の受け手」、「右は攻撃用の正拳」とスタイルは変えず、次々相手を仕留めていきます。
練習後、先輩達がこの老先輩の元へ集まり、何やら話し込んでいるので、ゾーキンがけしながら 聞き耳を立ててると、”廻し受け””転掌””セイエンチン”の単語が繰り返し聞こえてきたそうです。
きっとこの老先輩は「型」動きが「組手」で再現できている規範となっているのではないか、 そして組手から実戦となった時でも、自分が絶対の自信を持った”この”スタイルで戦い 最後にはやはり矢のような右正拳で敵を仕留めるのかな・・・と僕は思っているのです。
貴重な経験談を教えてくれた、高校生クンには本当に感謝です。
では失礼いたします。 2005/01/04:SOさん ・・・つまり高校生クンはモルだったわけですね^^; |